特定非営利活動法人 日本アジア臨床整形外科研究会(JACOS)は、アジア諸国における医療水準の向上と、より多くの人々が質の高い医療を享受できる社会の実現を目指し、2010年より任意団体として設立した日本・ベトナム脊椎外科研究会を引き継ぐかたちで立ち上げました。
近年、経済発展著しいベトナムをはじめとするアジア諸国では、整形外科領域における医師不足や医療設備の不備といった深刻な課題を抱えています。当法人では、こうした現状を改善するため、日本国内の医療機関と連携し、低侵襲かつ医療コストを抑えた筋肉温存脊椎手術や、専門医が極めて少ない骨軟部腫瘍治療の技術を中心に、研修・教育プログラムを実施してきました。これまでにベトナムやミャンマーを中心に2010年から約15年の間に、28名の医師を受け入れ、研修や学会参加、文化交流を行ってきました。この15年の間に、初期に研修されていた若い先生が、すでにベトナムの整形外科の中心的な役割を果たす世代へと成長しています。ベトナムには年に1回、現地で開催される学会に参加し、発表を行うとともに、これまで指導した、また一緒に楽しんだ留学生の先生方と再会を果たしています。多くの先生方が、私たちのもとで習得した治療法について積極的に発表されている様子を拝見すると、感無量の思いで胸がいっぱいになります。さらに今後は、対象国をパキスタン、中国、韓国、インド、エジプト、タイなどへと広げ、より多くの若手医師に対する教育機会を提供し、国際的な医療ネットワークの構築を目指しています。日本の最先端医療を学ぶと同時に、日本の文化に触れ、相互理解を深めることで、単なる技術支援にとどまらない、より持続的で実りある国際協力を実現したいと考えております。
NPO法人として新たな一歩を踏み出した今、これまで以上に透明性と信頼性の高い活動を展開し、皆様のご支援とご協力を賜りながら、アジアの未来を担う医療人材の育成に尽力してまいります。
今後とも、当法人の活動へのご理解とご支援を心よりお願い申し上げます。
2026年 1月 理事長 穴澤卯圭